期待インフレ率と原油価格

基本的にブレークイーブンインフレ率(期待/予想インフレ率)は原油価格の推移と連動する。2014年の中旬からサウジアラビアは米国と結託して、シリアに資金供給を行うロシアの弱体化を狙い原油価格の下落を狙った。原油の下落に伴いブレークイーブンインフレ率は低下し、その結果、インフレ率も低下しデフレ化が世界で進んでいる。そのため、FRBによる金利引き上げは見送りとなっている。

原油の下落が止まらない理由と連動する新興国通貨

上記リンク先に書いてあるように、世界は単純な理由で動いている。

資本主義か社会主義か。スンニ派かシーア派か。反米か親米か。


日本の期待インフレ率も同様に原油価格の下落と連動する形で、下落している。日銀の至上命題であるインフレ率2%は原油価格の下落によって達成困難であり、なんらかのアクション(緩和)が行われない限りこのまま期待インフレ率は低下したままだろう。

①原油価格が上昇すること

②日銀による何らかのアクションが行われること

などが、期待インフレ率を押し上げる要因となる。

①に関しては、米国共和党が進める原油輸出が解禁となるかどうか。共和党のロビイストには石油関連企業が多く、共和党が政権奪取すれば原油価格を押し上げる一要因となり得る。

SPRは利益確定へ

例外は、上記リンク先に書いてあるようにSPR放出に伴う原油価格の下落が、再度原油価格を押し下げた時である。ジョージ・ソロスも指摘するように、ロシアを解体するのに一番の効果を発揮するのが、原油価格を押し下げることであり、SPR放出を行った翌年に旧ソ連解体、ロシアデフォルトに繋がっている。2014年にSPR放出を行い、2015年3月はSPRの買い戻しを行ったことで一時リバウンドの動きを見せたが、再度下落の動きを見せてきている。