プエルトリコ?
先日、プエルトリコがデフォルト宣言をしています。
米国の投資信託などには高金利の「プエルトリコ債」が含まれていることが多く、国際金融市場に大きな影響を与える懸念があります。米国デトロイトが2013年に財政破綻しましたが、同市の規模である180億ドルを大幅に上回る700億ドルとされていますので、規模は大きいです。
その結果、昨日はギリシャショックに影響により、あまり話題にはあがりませんでしたが「モノライン市場」が打撃を受けています。
「モノライン」(米金融保証)とは、地方債(州、市などの機関が発行する債券)などの発行体がデフォルト(債務不履行)になったときに、発行者の代わりに元利支払いを保証する保険会社のことを指します。
今回、プエルトリコ自治区が発行する債券がデフォルト扱いとなった場合、本来はこの債券を保有する投資家は一部または全部の投資資金がゼロになってしまいますが、プエルトリコ自治区が支払えなくなった債券の元本と利子をモノライン(米金融保証)が肩代わりすることで投資家はデフォルトの影響を回避することができます。
一方でモノライン(米金融保証)が保証している債券の価値が値下がりすれば(今回では、プエルトリコ債券)、投資家への損失補償額が嵩み、モノライン(米金融保証)各社の業績は大きく悪化してしまいます。
実際に、モノライン(米金融保証)であるMBIA(MBI)とアシュアード・ギャランティー(AGO)の株価が昨日大きくギャップを開けて下落しています。
独立系地方債調査会社アクシオス・アドバイザーズのマネージングパートナー、トリエット・グエン氏の計算によると、MBIAのプエルトリコの公社へのエクスポージャーはプエルトリコ電力公社(PREPA)の15億3000万ドル、プエルトリコ・ハイウエー運輸公社(PRハイウエーズ)の9億7400万ドルなど約25億ドルになるといい、一方のアシュアード・ギャランティーのエクスポージャーは、PRハイウエーズの11億7000万ドル、PREPAの8億5200万ドル、プエルトリコ上下水道局の3億8400万ドル、その他の公社へのより小規模なエクスポージャーも含めると27億2000万ドルにのぼるとされています。
さらに、モノライン(米金融保証)各社への格下げイベントが発生すると、更なる問題に発展します。と言いますのも、金融商品の保証を行う以上、保証元の信用力があるのとないのとでは扱いが大きく変わからです。仮に保証会社の信用力が低ければ、ちゃんと保証をしてくれるのか?といった疑念が生まれ、顧客が安心して投資対象の保証をお願いできなくなるばかりか、保証会社が保証している金融商品の格付けまでもが低下リスクにさらされます。
ちなみに、米国投資家のマインドを表すfear&greed Indexは悲観の極みとなっています。
(0が最大悲観、100が最大楽観を示す)
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