世界観

人はそれぞれが持つ世界観に応じて物事を見ている。

自分が信じる物事だけを受け入れ、それ以外のことをシャットアウトする仕組み。これは脳が持つ特別な能力である。


相場の世界では、ポジションを持った時点で自分の世界観はロングかショートに偏ってしまう。

ロングポジションであれば株価が上昇するのに都合のよい情報だけを受け入れてしまうこと、ショートポジションであれば株価が下落するのに都合のよい情報だけを受け入れてしまうことを意味する。

Aという事象に対して、売り材料、買い材料と人それぞれ違うのは、

自分が採用した選択したポジション(判断)が、脳の仕組みによって都合の良い形で変換されてしまうから。

まずこのことを理解しておかないといけない。

成功体験が多く脳内に積まれている人は、自分の判断が正しい、なんでもできる、相場を動かすことが出来るという感覚に陥ってしまう(もちろん、筆者もそう考えてしまう一人)そうでないならば、また別の状況が生まれている。

それは、焦る気持ちでいっぱいの状況の時、困難な状況に陥った時。このときは、本来は気付くべき情報に気付かない。気づいたとしても、自分の判断を否定するのが怖い、もしくは

否定した後に生じる実際にお金を擦ったという現実に直面することが出来ない。だから、方向転換が出来ないという状況。

よくある話だよね。

そして、最後に人が直面するのは、ヤケクソになって保有ポジションをぶん投げる。投げた後に、レバレッジを最大限効かせて全力ポジ、そして撃沈。


さて、有名なうさぎとアヒルの話がある。

うさぎに見える人、アヒルに見える人、人それぞれだと思う。個人的にはうさぎにしか見えないんだけど。

前もってこの画像を見せる前に、アヒルの話だけをしておけば初めてこの絵を見た人はアヒルに見えただろう。逆にうさぎだけの話をしていれば、うさぎの写真に見えていただろう。

脳の仕組みには、一つの情報を2つ同時に認識出来ないという欠点がある。つまり、うさぎにしか見えない人はこの絵をうさぎと認識した時点でアヒルの姿は見えず、アヒルと認識した時点でうさぎの姿は見えない。

売りだと考えている人が買いが見えない状況と、買いだと考えている人が売りが見えない状況と同じだね。